ネット時代、ショップチャンネルのテレビライブ放送が好調な理由

2025/03/05 05:54
小内三奈

7基準をクリアした「ここにしかない商品」

 同番組の視聴者の中心層は50代~70代だが、現役ワーカー世代の35歳~65歳の視聴も少なくはないという。その背景には、テレビ通販のパイオニアとしての考え尽くされた戦略がある。

 女性をメインターゲットとし、扱っている商品カテゴリー別売上構成比として最も高いのは「コスメ & 美容・健康」だ。商品の価格帯は、日用品などは5,000円前後から、ジュエリーなどは数百万円に及ぶものまでさまざまである。特定の曜日・時間帯でどのような商材を販売するかは決めていない。

「仕事を終えるタイミング、ホッと一息つこうとテレビをつけるタイミングはお客さまそれぞれ違うと考える。そのため、ターゲットを絞り込みすぎてマンネリ化、単一化することがないように、むしろ幅広く色々な商品をご紹介することを意識している」

 また中曽根氏は、「ショップチャンネルはプラットフォーマーではなくセレクトショップ」だと強調する。大手プラットフォーマーは売れる商品をできるだけ多く販売することを目指すが、同社では売れる商品かどうかという視点ではなく、ここでしか手に入らないユニークな商材とストーリー性のある商材選びを徹底する。

「商品選定基準のベースとなるのが、ユニーク、レア、エピソード、バリュー、リミテッド、リーズナブル、ニッチの7つ。とくにこだわるのは、『新しい商品との出会い』。各カテゴリーの専属バイヤーは常に新しい商材を発掘しようと各地を飛び回っている」

 どこででも購入できる商品ではないもの、となると、必然的に「限定商品」を扱うことも多い。同社向けに展開するオリジナルデザインなどをベンダー側から提案されることも多いという。

「お客さまは、商品を探しに番組を見に来てくださるというより、見つける楽しみに期待を膨らませていらっしゃる」という点も同番組の大きな強みとなっている。

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