ネット時代、ショップチャンネルのテレビライブ放送が好調な理由
24時間放送のショッピング専用チャンネル、ショップチャンネル(東京都/小川吉宏社長)をご存知だろうか。EC化が加速するなか、今もテレビのライブ放送を続ける業界のパイオニアとして大きな存在感を放ち、業績も好調である。しかもなぜ、24時間のライブ放送にこだわるのか。消費者に受け入れられる理由はどこにあるのか。同社執行役員 経営企画本部長の中曽根悟司氏に聞いた。
リアル店舗を超える商品紹介×エンタメ要素

創業以来30年近く、早朝、深夜帯を問わず「テレビ×生放送」にこだわり商品を紹介しているのがショップチャンネルだ。自社ウェブサイトはありつつも、主軸はテレビ。
「コロナの時期は朝2時~6時の時間帯を録画放送にし、20時間ライブ放送という時期もあったが、ライブ放送に戻すと視聴者数が平均20%以上増加、これに伴い売上も増加した。コロナ禍を経た今も変わらず、24時間ライブ放送が私たちの最大の特徴。深夜、早朝帯もライブ放送の方が確実に視聴が伸びる」と中曽根氏は言い切る。
番組は1時間刻みで放送され、1つの商品をたっぷり1時間かけて紹介する。となると、必然的に商品の中身を詳しく紹介することになる。
「リアル店舗でもここまで丁寧に商品説明はしないだろう」と中曽根氏が話すのも納得ではあるが、視聴者側はやや退屈するのではないかと気になる人も多いかもしれない。
その点について中曽根氏は「私たちは自らを物販の会社ではなく『エンターテインメント企業』と定義している」と語る。
「見ていて楽しい、参加して楽しいコンテンツをつくっていて、目指しているのはショッピングエンターテインメント。大きな特徴は、商品のメーカー、ベンダーからゲストを呼び、商品開発ストーリーなどを時間をかけて深く語ってもらうところ。ショッピング番組であると同時に情報番組的な要素もあると思っている」





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