節分、バレンタインの劇的進化が止まらない!拡大する「2月催事」のいま
バレンタインはギフトから脱却、愛好家の祭典に

バレンタインデーも日本独自の発展を遂げ、もはやチョコレートの祭典です。その期間も長く、食品スーパー、総合スーパーでは正月が明けると催事場はチョコレートで埋まります。百貨店のオンライン販売は12月から動き始め、1月下旬にスタートする店頭催事には、この時期だけの限定品を求めて愛好家が集まります。
かつての義理チョコ需要は衰退し、代わってご褒美需要が高まり続けているそうです。5000円を超える高価格帯ほど伸長率は高いとも言います。義理チョコに予算を回さない分、高単価品の購入機会が増えているのかもしれません。
バレンタインの催事場では、パティシエがその場で仕立てるメニューや、バーテンダーによるチョコレートとのマリアージュを考えたドリンクなど、その場でしか味わえないものも提供します。この試みはチョコ愛好家のみならず、バーテンダーやパティシエのファンといった新規顧客を取り込む機会にもなるそうです。
チョコ好き以外からの取り込みといえば、キャラクターコラボの限定品は、毎年のように各社の販売上位に食い込んできます。それらの中には男性客の構成比が上がる商品もあり、チョコの祭典はもはや女性だけの市場ではなくなりつつあります。
その女性客も、ギフトの縛りが緩くなった昨今、百貨店のバレンタイン催事にはかえって20~30代が増加しているそうです。百貨店にとっては次世代顧客との接点としても重要です。
また、手作りチョコもコロナ禍で一時敬遠されたものの復調し、「シェアチョコ」文化の一翼を担っています。
チョコレート市場の懸念といえば、原材料の高騰による値上げや、長い猛暑による消費の減退ですが、それもバレンタインには無縁かもしれません。この時期、さすがに暑さの心配はなく、ハレのチョコの祭典には日常消費とは違う奮発も期待できるようです。この時期のために貯金して備える愛好家も少なくないと言います。
バレンタインはギフト機会からの脱却を進めることで、幅広く愛好家の購買意欲を掘り起こしています。すでにジェンダーレス化の芽も出ており、市場はさらに発展しそうです。





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