初の専門店も!「無印良品」がアパレル改革に成功した理由とは
衣服の売上割合は国内40%、海外50%
無印良品ブランドのナチュラルなイメージはそのままに、肌への刺激が少ない天然素材を使うなど、素材背景がしっかりしていて、地球環境に優しいことは大前提で、化学繊維を積極的に採用することは、これからも考えていないという。無印良品の強みである天然素材のナチュラル感を「かたまりで見せる」と山本氏は話し、ウィメンズ、メンズ、キッズも連動して、素材の良さを大きく打ち出し、さらに強みを伸ばしていきたい意向を示す。
定番アイテムを完成させ、素材の良さで売り出していく。そこで「ベーシックなアイテムがしっかり売れる体制づくりが必要だと考えている」と山本氏。店舗は2023年8月末時点で無印良品が国内約562店舗、海外ではMUJIとして約626店舗を出店中で、衣服のカテゴリーは国内以上に海外で好調だ。国内の店舗で衣服が売上に占める割合は約40%、海外は50%近い。良品計画の海外事業は衣服がけん引しているといえる。そこで戦略として意識しているのが「グローバルで通用するベーシックを究めること」(山本氏)。デザインを尖らせる施策ではなく、素材の良さはそのままに、たとえばネクタイを締められるシャツ、スマートカジュアルなジャケットなど定番商品を国内の店舗でも提案していく予定だ。
東南アジアでは気候や住む人のライフスタイルに合わせた品揃えを充実させるなど、きめ細かい工夫が奏功した。欧米の店舗ではバック・トゥ・スクールやホリデーなどシーズンごとのモチベーションを刺激する表現をVMD担当がつくり上げ、店内でのプレゼンテーションのレベルが上がったことが成功要因だと山本氏は分析する。当然、そのノウハウは日本の店舗にも共有され、取り入れられて、商品の魅力を伝える表現力が上ってきている手応えを感じているという。