SIPストアにリテールメディア… セブン-イレブン、注目の成長施策の進捗

2023/09/26 05:57
大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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品揃えで議論中
SIPストアはミニスーパーではない
23年度中に千葉県に出店

 次に、セブン-イレブンは今後の成長施策として、セブン&アイ・ホールディングス(東京都)がコンビニエンスストア事業とスーパーストア事業で培ってきた知見やネットワークを融合させた新コンセプト店舗の開発に挑戦することも発表し、業界の注目を集めている。

「SIPストア」と呼ばれるこの新たな店舗フォーマットは、売場面積を100~150坪に拡大し、取扱品目数を既存店の約2倍の5000~6000品目に増やす。イトーヨーカ堂(東京都)のプライベートブランド(PB)「顔が見える野菜。」や冷凍食品のPB「EASE UP(イーズアップ)」など、生鮮食品や冷凍食品の品揃えを拡充するほか、価格訴求型PB「セブン・ザ・プライス」の取扱品目数も拡大させる。

 24年2月期中に複数店舗を出店する計画で、まずは千葉県でテスト店舗を開業すると発表。秋ごろにはオープンするという声も聞かれていたが、現時点ではまだ開店に至っていない。

 青山氏は「準備は着々と進んでいるものの、品揃えの点で意見を戦わせている最中だ。SIPストアでめざしているのは、ミニスーパーではない。単に店に生鮮を置く、というレベル(の品揃え改革)ではないということ。セブン-イレブンが今後めざしていく道を、SIPストアで具現化したい。少し時間がかかっているが、できるだけ早く出店したい考えだ」と語っている。

 出店時期は23年度中を予定する。立地は千葉県で変更はないという。

 コンビニ業界首位のセブン-イレブンの次なる成長施策は、小売業界全体が耳目を集めるところであり、今後の動きに引き続き注目だ。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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