学生と企業のコラボで商品化93案!未来のマーケターを育成する「Sカレ」とは
社会課題を解決する視点が評価される
Sカレから誕生した商品の中には、対外的な評価を受けているものもある。その中の一つが、印刷会社である明成孝橋美術と法政大学の学生が連携してつくった「懐話(かいわ)ふだ」だ。この商品は「高齢化が進むことによって認知症の人も増えていく」という社会課題を解決するためにつくられた。創造力にあふれる製品として知事が認定する「大阪製ブランド」に選ばれている。
神経衰弱のようにカードをめくり、色が揃ったら自分の手札にしつつ、その二枚の札に書かれていることに沿って思い出話をする。たとえば、「ここ最近・笑ったこと」や「学生時代・やっていた運動」などだ。懐話ふだをつくる過程で、グループホームや有料老人ホームで話を聞いたり、試作品を介護施設に持っていって現場の声を集めたり、約1年間かけてブラッシュアップした。
また、明成孝橋美術にはtoC向けの販路がなかった。そのため、学生がイチからページを作成しクラウドファンディングを実施。2カ月で、目標金額の150%の売上を達成した。さらに、SNS運用、介護コミュニティへのアプローチ、プレスリリース、新聞への掲載など、PRにも成功している。