ナルミヤ・インターナショナル國京紘宇新社長が語る、EC軸とする新たな成長戦略とは

2023/08/03 05:58
野澤正毅
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リセマインはEC生まれの新ブランド

ナルミヤ社長
國京紘宇社長

――確かに、リアル店舗で自社ブランドをあちこち見て回るよりも、オンラインのほうが比較しやすいですね。

國京 今後はECサイトの利点を生かして、機能をもっと拡充していきたいですね。例えば、現在のナルミヤオンラインは、いつでも、どこにいても買える利便性といった、“売場”としての機能に偏っています。しかし、本来であれば、ITを活用した個別のマーケティング、ブランディング、プロモーションなどを展開する余地も大きいはずなんですね。そこで、今後12年をかけて情報システムを改修し、お客さまとのコミュニケーション機能を高める方針です。

また、「新ブランドのインキュベート機能」も付加したいと考えています。当社も、今や他社に追い上げられる立場になりましたが、例えば、当社のプティマインは、インスタグラムだけでも約40万人のフォロワーがいます。子供服のジャンルでの、そうした圧倒的な集客力を、新ブランドの育成に生かさない手はありません。社内プロジェクトで企画したオリジナル商品や、海外から導入を検討しているブランドをナルミヤオンラインでテスト販売してみて、好評であれば、ECで本格販売するといった流れですね。ブランドが成長して売上げも増えたら、リアル店舗の展開も視野に入れます。リアル店舗と違って、ECは新ブランド立ち上げのイニシャルコストが抑えられ、トライしやすいのがメリットです。

――インキュベート機能はいつ付加する見込みですか。

國京 すでに一部のブランドで、試験的にスタートしています。例えば、2022年に立ち上げた「リセマイン」は、ECでデビューしました。現在もECのみでの展開ですが、販売実績も、現在の約2億円から2023年度には倍増する見込みで、リアル店舗の展開も検討しています。ECで売上規模23億円の新ブランドを年に23ブランド立ち上げ、リアルとオンラインの両面で販路を拡大できるようにしたいですね。そうなれば、事業の新しい成長モデルができると期待しています。

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