客単価コロナ前比127%と売上好調、高くても売れるエストネーションのマーケティング戦略とは

小内三奈
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高付加価値提案で富裕層シフトを強化

エストネーション大阪店の内観イメージ
移転増床オープンする大阪店の内観イメージ

 過去にはオリジナルブランド中心の展開をしていた時期もあるが、現在ではオリジナルブランドの割合は3540%程度、六本木ヒルズ店では20%程度で、国内外のハイブランドを取り揃えるセレクトショップとしてのポジションを確立している。大田氏は「アパレルの小売として、唯一無二の存在だと自負している」と話す。

 オリジナルブランド、買い付けブランドともに、ディテール部分にまでデザイン性があり上質感のある素材を選ぶなど、高価格でも付加価値のある商品を追求した提案を続ける。顔のわかる顧客管理にも力を入れ、店舗スタッフは昔ながらの電話やメールでのコミュニケーションを大切にし、新商品が入荷すればこまめに連絡をとるなど、密な信頼関係をつくることにこだわる。

 EC化が進むファッション業界において同社のEC化率は減少傾向にあるが、この点は肯定的に受け止めている。「デザインのディテール性が強いので、ECにはあまり向かないのが現実。店舗でまとめて買っていただくのが同社の主力の販売形態であることは変わらないと考えている。ただし、まだまだアプローチできてない地域もあるので、店舗に来られない方のためにECをもっと充実させる必要はある」(大田氏)

 一方、実店舗については、富裕層が集まる地域の店舗は大型化を進め、同じ出店エリアでもターゲットMAPに合う施設への入店の検討を進める。また今年6月には、大阪店の移転増床オープンを予定している。「車での来店も想定して駐車場のあるビルに移動し、六本木ヒルズ店に近いブランドラインナップとターゲットの幅を広げた店舗にしていく。高感度、高付加価値な提案により磨きをかけていきたい」(同)

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