客単価コロナ前比127%と売上好調、高くても売れるエストネーションのマーケティング戦略とは

小内三奈
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キーワードは「背伸び消費」

六本木ヒルズ店内観
六本木ヒルズ店内観

 同社ではブランドの新陳代謝を高める戦略も強化している。「現在では、会員顧客以外の新規のお客さまも少しずつ増加しているが、これまで通りのラインナップではずっとエストネーションに通ってくださっている既存のお客さまにはどうしても飽きがきてしまう。この点を打破するために、前年度から新しいブランドを3割投入することを前提とした戦略にシフトした」(大田氏)

 そこで、ブランド開発や買い付けの指標となっているのが、ウィメンズではモード、コンサバティブ、カジュアルのテイストを中心としてターゲットを12分割した「ターゲットMAP」だ。店舗づくりもこのMAPと連動したラインナップを取り揃えながら行っている。

 一方で、六本木ヒルズ店を例に実際に購入した顧客のペルソナを分析すると、ターゲットに合致した顧客の割合は、実際は2割にも満たないという。「残りの8割程度は、ターゲットに憧れているフォロワー層。『あの人に憧れているから』『あの人のようになりたいから』という想いをもったお客さまに、やや背伸びをして購入していただく構図になっている」

 実際に購入している顧客のありのままの姿にターゲットを置くのでなく、少し背伸びをしてでも「なりたい自分」に近づくための商品を展開し訴求していくのがエストネーションの戦略だ。

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