日本初「スマホ×アナログロッカー」でクリーニング 急拡大の理由は導入ハードルの低さにあり!
IT経営者がクリーニング業界に参入したきっかけは「開発者自身の実体験」
渡邉氏が経営するAiCTは、熊本でインターネットサービスやアプリ開発を行う会社だ。同社が、完全無人のクリーニングサービスの開発をスタートしたのは2016年。クライアントの1社であったホワイト急便との付き合いの中で見えてきたクリーニング店の現状から「ITを活用して効率化できないか?」と考えたのがきっかけだ。
さらに、「熊本ではほとんどのクリーニング店が19時には閉まる。平日夜にYシャツを取りに行きたくても間に合わくて困ったことが多々あった。預けに行くのと引き取りで2度足を運ばなくてはいけないところも面倒でしかたなかった」という渡邉氏自身の実体験があったのも大きかった。
海外の事例を調べると、当時アメリカのシリコンバレーに同様のサービスがあることがわかったが、アメリカ仕様のサービスをそのまま導入することは難しかったという。理由の一つは、日本のように紙のバーコードタグを取り付けるのではなく、洋服自体にバーコードを焼き付ける仕組みで、これは日本人には受け入れられないと考えたからだ。もう一つは、クリーニング所以外で洗たく物の処理ができないという日本のクリーニング業界特有の規制である。
そこで、スマホを活用した独自のサービスを一から開発することに決めた。当初は、クリーニング店の付帯設備として店舗横に設置する方法でスタートし、その後少しずつ規制が緩和されたエリアが増え始め、今では駅ロッカー、スーパー内などの設置場所も増えてきた。