ドラッグストアに朗報!業務負担が一部緩和、非薬剤師による医薬品のピッキングなどが可能に
厚生労働省が4月2日に各都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)長へ通知した「調剤業務のあり方について」。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は「画期的」「大歓迎」と評価した。JACDSは処方箋40枚規制や調剤テクニシャン制度をめぐる議論に移る筋道がついたととらえ、今後、政府、与党への要望内容を詰める。
全国でバラバラだった非薬剤師の業務範囲が明確化
厚生労働省は4月2日、各都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)長に「調剤業務のあり方について」を通知した。非薬剤師でも可能な調剤業務を明示しており、これまで都道府県、保健所設置市、特別区によって異なることがあった非薬剤師による調剤業務の範囲が明確化されたかたちだ。
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の中澤一隆専務理事は「画期的な通知だ。JACDSとしては大歓迎。薬剤師以外の調剤業務の範囲を正面から整理した通知は初めてではないか。国が対物業務から対人業務へと薬剤師の仕事を切り替えていく、その本気度がうかがえる内容だ」と話す。
「調剤業務のあり方について」通知は、はじめに、
・当該薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施されること
・薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質等に影響がなく、結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがないこと
・当該業務を行う者が、判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること
をいずれも満たす業務を薬剤師以外の者が実施することは「差し支えない」と整理。なお、この場合であっても、「調剤した薬剤の最終的な確認は、当該薬剤師が自ら行う必要があること」とした。
次は40枚規制「撤廃」めざす
JACDSは今通常国会で審議されている「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の改正に当たって、政府、与党にさまざまな要望を出しており、それが今回の通知で相当程度実現したとみている。
中澤専務理事は「この通知により、調剤テクニシャン制度や処方箋40枚規制をめぐる議論に入ることができる筋道がついたと理解している」と話す。
JACDSの常任理事執行委員長の根津孝一氏(ぱぱす代表取締役会長)は、調剤テクニシャン制度創設の是非や処方箋40枚規制「撤廃」について、「現在、JACDSで議論を深めている」と明かす。たとえば研修を経た登録販売者が軟膏剤、水剤、散剤等の医薬品を計量、混合できるようにする方向で、政府、与党への要望をまとめることになるだろうと根津氏は話している。