1月に台湾進出のロピア、飲食の新業態出店のねらいと今後の戦略
A5等級の黒毛和牛を
リーズナブルに提供
まず、新たにオープンした中価格の「ギュウトピア」とはどのような店なのか。22年12月下旬の週末に訪問すると、夜間営業開始時間の17時を5分ほどしか過ぎていないにも関わらず、すでに多くの席が埋まっている状態だった。
店の雰囲気は落ち着きのあるお洒落な焼肉店といった感じで、ファミリー層がお客の中心である。
夜間のメニューは、アラカルトのほか全14品の飲み放題付き焼き肉コースを6000円(税抜)で提供する。コース内の肉メニューは、生肉2点盛り、焼き物・塩4種とタレ3種、トリュフ入り焼きすきで、注文用の電子タブレットでは「当店の黒毛和牛は全てA5ランクを使用しています」と紹介していた。
実際に食事をすると、肉の味も質も満足で、よい肉を手頃な価格で楽しめた。来店客の様子を見ると、慣れた様子で食事をしている人が多い。以前に利用し再び来店していると見てとれ、再来店したいと思える評価を得ているようだ。
今後は食品スーパーと
ともに出店も?
「ギュウトピア」では、食品スーパー「ロピア」との連携も見てとれる。たとえば、テーブルに設置されているペッパー、ソルトは、「ロピア」でも販売している同社の直輸入品だ。提供する黒毛和牛についても「ロピア」と同じ施設内で営業していることからも、共同で仕入れたり、融通したりしている可能性は高い。
これまでの高級業態では「スーパーのロピアと仕入れは別々で行っている」(銀座山科で食事した際の従業員の方との会話より)そうだが、中価格や廉価な業態であれば「ロピア」と連携を図れる部分も生じてきそうだ。「ギュウトピア」のように、食品スーパーの店舗に併設したり、同じ商業施設内に出店したりしていく可能性も考えられよう。
今回は中価格帯の新業態だったが、山科社長の話からすると近いうちに廉価な価格帯で食事ができる飲食業態の出店、または事業買収が予測される。このように海外だけでなく国内でのロピアの外食事業の動きからも目が離せない。