大吉買収で1000店舗超え!焼き鳥系居酒屋チェーン、鳥貴族はなぜ店舗数にこだわるのか
コロナ禍に伴う逆風で業績に急ブレーキがかかった外食業界だが、ここに来て「コロナ後」を見据えた、積極的な再成長戦略を描く企業も増えてきた。居酒屋チェーン「鳥貴族」などを展開する鳥貴族ホールディングス(鳥貴族HD)もその1社。9月には「やきとり大吉」をフランチャイズ展開するダイキチシステムを完全子会社化することを発表。鳥貴族HDが描く成長戦略とは?
コロナ禍で初の四半期ベース黒字を達成
鳥貴族HDが9月に発表した2022年7月期決算は、売上高は202億8800万円(前年同期比130.1%)、営業利益は24億3300万円の赤字、経常利益19億6800万円、親会社株主に帰属する当期純利益11億3400万円だった。第四四半期営業利益は1億4900万円を計上し、コロナ禍では初の黒字となった。
この2年を振り返れば、コロナ禍が鳥貴族HDに与えた影響は甚大だった。売上高、店舗数を年々拡大し、まさに快進撃で、業界のトップに上り詰めた同社。ところが、コロナ禍で急ブレーキ。店舗数も減らし、営業赤字を計上して右肩上がりだった成長曲線が下降に転じた。
不可抗力とはいえ、予定の事業計画が大きく狂ったことは間違いない。
2023年7月期は第7波の影響を織り込みつつも、いよいよ反転攻勢に打って出る。売上高は317億1300万円、営業利益8億5700万円、経常利益19億億6800万円、親会社株主に帰属する当期純利益11億3400万円を見込む。
大吉買収で1000店舗超え
大きなドライブとなるのが、焼き鳥系居酒屋チェーン大吉の買収だ。同チェーンを運営するダイキチシステムの株式を100%取得。完全子会社化した。株式は2023年1月に取得予定で、株式取得後にまず統合作業(PMI)に注力する方針を明らかにしている。
鳥貴族HDと大吉は、焼き鳥居酒屋業態の2トップ。それぞれ600店舗前後を展開しており、「合体」により、同社の保有店舗は一気に1000店舗を超え、全国を網羅することになる。