オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)がネットスーパー「オーケーネットスーパー」の事業エリアを拡大している。10月3日には新たに「橋場店」(東京都台東区)での注文も受け付けも開始する。これによりサービス実施店舗は計11店となり、順調に店舗数を伸ばしている。オーケーのネットスーパーの直近の動向をまとめた。
サービス開始から
約1年が経過
「オーケーネットスーパー」は、2021年10月20日にサービスを開始。まずはオーケー本社ビル内に入る「みなとみらい店」(神奈川県横浜市)と、「仲池上店」(東京都大田区)の2店舗から配送をスタートした。
サービス形態は店舗出荷型で、配送自体は業務委託で対応している。注文は、オーケーのネットスーパーのサイトにパソコンやスマートフォンからアクセスして行う。配送時間は、前日24時までの注文で、翌日12時以降の時間を指定できる(サービス開始時点のことで、変更となっている可能性あり)。
注目したいのが、その料金設定だ。最低注文金額は1万円(税抜)で、さらに配送料として注文金額の3%を徴収する(1万円なら300円)。
配送料自体は比較的安いものの、5000円以下で注文を受け付け、さらに配送料無料にする食品宅配サービスも多いなかでは強気の価格設定であり、サービス開始時には業界でも話題となった。
業務用食品や
冷凍弁当も扱い開始
取り扱いカテゴリーは、生鮮食品、総菜、ベーカリー、加工食品、和洋日配、冷凍食品、アイスクリーム、水・飲料、酒類といった、ふだんの食卓向けの商品全般のほか、日用品・雑貨、ベビー・介護用品、ペット用品、医薬品・医薬部外品(店舗によって異なる)までと幅広い。全体アイテム数は非公表だが、充実した品揃えを提供している。
サービス開始時からの進化としては、「業務用商品」カテゴリーが増えている点が挙げられる。業務用食材が計44品目、業務用調味料が計47品目登録されており(9月末時点)、業務用食材では、「フジッコ 業務用 丹波黒黒豆 250g」「味の素 コンソメ 顆粒 ふりだしタイプ 業務用 470g」などが画面に並ぶ。
このうち冷凍弁当も7品目扱う。日清医療食品(東京都)の宅配弁当サービス「食卓便」の、糖質を抑えた「低糖質セレクト」の商品を販売している。
また、昨今の原料価格の高騰などを受けて、オーケーネットスーパーでも商品の値上げに踏み切っている。そうしたなかネットスーパーの注文画面では「もうすぐ値上げ」と表記し、利用者が値上げの前に、商品を購入できるようにしている。
導入店最多は東京都
23区内は4店目
サービス開始以降、オーケーネットスーパーは確実に事業エリアを広げている。
みなとみらい店、仲池上店で開始して以降、順に「港北店」(神奈川県横浜市)「新浦安店」(千葉県浦安市)「相模原店」(神奈川県相模原市)、「藤沢店」(神奈川県藤沢市)、「町田森野店」(東京都町田市)、「新用賀店」(東京都世田谷区)、「西府店」(東京都府中市)、「サガン店」(東京都大田区)、そして今回の「橋場店」(東京都台東区)と、サービス実施店舗は11店まで増えた。
エリア別では、東京都6店、神奈川県4店、千葉県1店で、直近では東京都内でサービスエリアを拡大している。
新規会員の受付を
一時停止する店舗も!
実施店舗では、多くの利用を獲得しているようだ。実際、8月30日、オーケーは「みなとみらい店」における新規会員登録を一時停止している。同日掲載された同社のニュースリリースには「想定を大きく上回るご注文をいただき、ご希望の日時でのご注文がしづらい状況が発生しております。(略)会員の皆様へ十分なサービスをご提供できる体制が整うまでの期間、一時的に新規会員登録を停止させていただきます」とあり、想定を上回る利用があるようだ。
このように、最低注文金額1万円という強気な価格設定であっても、オーケーはネットスーパーでも消費者から支持を得ているようだ。昨今はアマゾンジャパン(東京都)や楽天グループ(同)など大手ECと組んでネットスーパーを始める企業も多いなか、独自路線でサービス展開をしている企業の好例として、今後の動向に注目したい。