原価高騰のなか、イオンが「価格凍結」を22年3月末まで延長する理由とは
過去に例のない原材料高騰 「3月31日までが限界」
とはいえ、過去に例のない原材料高騰の中、価格を据え置くのは商売上、楽ではないはずだ。西峠氏も「原価率が上がっており、商品単体での利益率は下がっているのが現状。(据え置き期間も)2022年3月31日までが限界に近いと考えている。4月1日以降は未定。未だに価格が上昇し続けている原材料もある」(西峠氏)
価格据え置きに際しては①物流コスト・店舗のオペレーションコスト削減②販売量を上げることで対応する考えだ。
①については、イオン全体での物流コスト削減を狙う。一例として店舗に近い工場で新たに飲料類の製造を開始。製造工場を増やすことで、店舗との距離を短縮し、かかる費用を抑える。倉庫での保管費用削減を削減するべく「フロースルー物流(物流センターに入荷した商品を保管することなく店舗へ出荷する作業のこと)」にも取り組んでいる。店舗ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進め、販売量を予測し、在庫コスト削減を目指す。
②については、価格を据え置く商品の販売量を上げ、原材料高騰が影響しない他のPB商品を積極的に売り出すという。