原価高騰のなか、イオンが「価格凍結」を22年3月末まで延長する理由とは

2022/01/13 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    過去に例のない原材料高騰 「331日までが限界」

     

    とはいえ、過去に例のない原材料高騰の中、価格を据え置くのは商売上、楽ではないはずだ。西峠氏も「原価率が上がっており、商品単体での利益率は下がっているのが現状。(据え置き期間も)2022331日までが限界に近いと考えている。41日以降は未定。未だに価格が上昇し続けている原材料もある」(西峠氏)

     価格据え置きに際しては①物流コスト・店舗のオペレーションコスト削減②販売量を上げることで対応する考えだ。

    ①については、イオン全体での物流コスト削減を狙う。一例として店舗に近い工場で新たに飲料類の製造を開始。製造工場を増やすことで、店舗との距離を短縮し、かかる費用を抑える。倉庫での保管費用削減を削減するべく「フロースルー物流(物流センターに入荷した商品を保管することなく店舗へ出荷する作業のこと)」にも取り組んでいる。店舗ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進め、販売量を予測し、在庫コスト削減を目指す。

    ②については、価格を据え置く商品の販売量を上げ、原材料高騰が影響しない他のPB商品を積極的に売り出すという。

     

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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