めざすべき山頂はひとつ
「Eコマースのアマゾン、検索のグーグル、端末デバイスのアップル、ソフトウエアのマイクロソフト…。各社ともに得手とする分野は異なるが、めざすべき山頂はひとつ。登山ルートが違うだけだ」と持論を展開するのはKADOKAWA(東京都/松原眞樹社長)の角川歴彦会長だ。「その証拠に、今や徐々に事業領域が重なり、ぶつかりあうようになってきた」。
そんな中で新興勢力として台頭してきたのが動画配信サービス企業のネットフリックス(Netflix)だ。10月からは日本でも事業をスタートさせる。ネットフリックスの強みは、映画やドラマといったコンテンツを自ら制作し、ストリーミング配信してしまうことである。しかもそれら作品が業界の各賞を次々と受賞している。
従来、「われわれはメディア産業ではない」とコンテンツ側とは一線を画してきたアマゾンもネットフリックスの勇躍に刺激を受けた。同じ世界に足を踏み入れ、作品の制作にも力を入れ始めた。「(映画やドラマの世界では)これまでの均衡が崩れ、イノベーションが起ころうとしている」と角川氏は言い、2013年を「動画配信元年」と名付けた。小売業以外の市場でも、ネット・デジタル事業者による寡占化の足音がより大きくなっている。
『ダイヤモンド・チェーンストア』誌2015年7月15日号
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