日本アクセス 「物販企業」から「サービス企業」へ
「1960年代までは『製造業主導の時代』だった」と話すのは日本アクセス(東京都)の田中茂治社長だ。需要が供給を上回っていたから、売り手市場。この時代の中で中間流通業界は供給機能だけを持つ「問屋」の時代だった。
しかし、1970年代から2000年代は、需給バランスが逆転し、「消費者主導の時代」を迎えた。買い手市場の中で、中間流通業界は、消費者ニーズに対応し、情報化を進めるなど供給機能を強化しなければならなくなった。「卸売」企業への脱皮が求められたのである。
では、現在はどうか?
ソーシャルメディアを背景とした「共感」を軸に、消費者ではなく人間を主体にした「価値主導の時代」が訪れている。中間流通業界は、「モノ」ではなく、「価値・サービス」を提供する「卸」企業となっていかねばいけない。「帳合に守られている取引は必ず終わる。だからこそ、『物販企業』から『サービス企業』へと蛻変【ぜいへん】しなければいけない」という考えから、田中社長は現在、同社の企業変革を推進している。
『ダイヤモンド・チェーンストア』誌2015年6月15日号
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは -
2024/02/23
「ダイソー」創業者・矢野博丈さんが「会社は潰れるもの」と考えて経営にあたった真意 -
2023/10/30
スポーツの番狂わせと企業の好調要因がどちらも「偶然」ではない理由
この連載の一覧はこちら [1787記事]
![千田直哉の続・気づきのヒント](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2021/05/20210514_chiefblog.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=ebefbdfd159307ddf75e7a10016248a0)