イオン製造小売化 この仁義なきボーダーレス
4月1日。イオン(千葉県/岡田元也社長)は、サッカー日本代表でイタリアセリエA、ACミランの「10番」、本田圭佑選手プロデュースの『夢ノート』を全国イオングループの店舗で発売した。A5版変形サイズでツインリングノート70枚、税込価格は1058円。本田選手が「Wカップで有名になり、セリエAのチームに入団して、レギュラー、背番号10、年棒40億円を勝ち取り、親孝行する」という夢を実現するために中学生の頃から付け始めたノートをもとに制作したものだ。
従来、『夢ノート』のような商品は、出版社や新聞社が企画、編集、発刊することが当たり前だった。もう少し広がったとしても、せいぜい玩具業界やスポーツ業界がいいところだったろう。既成の枠組みを飛び出し、製造小売化に邁進するイオンの意欲と商魂の凄まじさには驚かされる。
4月4日。今度は「イオンのスマートフォン」だ。イオンは、日本通信(東京都/三田聖二社長)との協業で通信料金と本体代金あわせて2980円(税抜き)で利用できるスマートフォンを発売した。もはや、イオンの製造小売化は、仁義なきボーダーレスと言っていい。こうなると業界という閉ざされた小宇宙から出る意思のない“山椒魚”に未来がないことは明らかだ。
『チェーンストアエイジ』誌2014年4月15日号
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