横文字が多いって
流通業界には横文字が多い。専門用語となると大抵は横文字だ。日本の連鎖店は、米国に源流を汲んでいるからであり、自然、流通専門誌である『チェーンストアエイジ』誌内の文章もカタカナが多くなる傾向にある。
かなり以前に、全く違う業界に籍を置く、知人に小誌を見せたところ、「(記事の)半分くらいは理解できない」と呆れられたことがある。
そんなことがあったから、記事を書く、掲載する、に当たっては、専門用語を分かりやすく言い換え、横文字には邦訳を併載するなど、心がけるようにはなった。
ただそれでも、まだまだ横文字は多く、反省の日は続いている。
ところが、流通業界よりも横文字の多い業界がある。
ネットの業界だ。
今回、ネット業界で使用する横文字がいかに多いのかを比較できる機会に恵まれたので早速、報告したい。
ご存知のように、私は『チェーンストアエイジ』誌の目次の隅っこに「千田直哉のPAPER BLOG」という囲み記事を連載している。500~600文字の随想で、このBLOG「PAPER BLOG +(プラス)」の名前の由来になっている。
次号3月1日号では楽天(東京都/三木谷浩史会長兼社長)、今号2月15日号ではイズミヤ(大阪府/坂田俊博社長)について、横文字を意識することなく、ほぼ同じ文字数を書いた。
まず、3月1日号の楽天だ
http://diamond-rm.net/articles/-/9889
読んでもらえばわかるだろうが、これでもかというほどに横文字が多いことがわかる。
書いている私でさえ理解するのが大変なくらいだ。
さすが、社内公用語を英語に決め、決算発表会も英語で行う企業の面目躍如である。
一方、現在発売中のイズミヤの囲み記事がこちらだ。
http://diamond-rm.net/articles/-/9799
2つのカタカナ・英文字比率を計算すると、前者は521文字中185文字で35.5%。後者は、604文字中92文字で15.2%。実に2倍以上の差がついた。
これでは、日頃からネット環境に触れていない方々やお年寄りにとっては、きっと、お経や宇宙語を読まされているようなものだろう。
サンプル数がひとつなので、拙速に結論はできない。けれども、もう少し、愛のある言葉づかいがあれば、ネット業界は、現在の非顧客をさらに顧客化でき、国内における大きな発展の余地を残しているような気がする。
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