公正な判定に不可欠なこと
我々のテニスの試合は、ほぼすべてがセルフジャッジによって進められていく。
セルフジャッジ――。
つまり審判は不在で、プレイヤー同士で判定し合うというものである。
しかしプロの審判でさえもがよく間違い、《ホークアイ》というシステムを導入しているテニスのジャッジを、素人が行うのだからミスは非常に多い。
だから、紳士淑女のマナーとして、「“灰色”の場合には相手が有利になるように判定する」という不文律があるほどだ。
ただし、そんな不文律を順守したとしても、まだたくさん間違う。
自分では、インとした判定がアウトだったり、アウトと判定したものがインだったりということは日常茶飯事だ。3セットも試合をすれば、1回くらいは必ず起こってしまう。
どうしてこんなことが頻繁に起こってしまうのかと言えば、主因はプレイヤーの立ち位置にある。
ジャッジの基本は、ボールに一番近いプレイヤーが判定するというものだが、そのプレイヤーの位置取りによって見え方が異なるからである。ポジションによっては、本当にアウトがインにインがアウトに見える。
競馬中継でカメラに角度がついていると、接戦の際には、どちらが1位なのか分からないのと同じ。相撲中継なら、カメラの設置位置によって、どちらが先に土俵を割ったか分からないのと同じである。
そして、そんなことを考えながら確信したのは、何事も、公正なジャッジをするに当たっては立ち位置がとても大事であるということだ。
関連BLOG http://diamond-rm.net/articles/-/3860
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは