この世の中は知らないことが多すぎる

2014/01/06 10:30
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 昨年の大晦日に観損ねた『第64回 紅白歌合戦』を観た。

 51組の登場歌手のリストと曲目をチェックしていくと、大変なことに気づいた。

 紅組25組中7組、白組26組中5組の歌手を知らなかったのだ。曲目の状況はもっと酷く、紅組25曲中19曲、白組26曲中18曲を初めて耳にするという有様だった。

 無類のAMラジオ好きであり、普通の人よりは音楽を聴いているという自負があっただけに新年早々の初ショックだった。

 そこで青春時代の真っ只中、1982年の『第33回 紅白歌合戦』の出場歌手リストを調べてみた。出場44組を全員知っており、曲目では紅組22曲中6曲、白組は22曲中5曲を知らないという状況だった。

 このことが何を意味するのかと言えば、いろいろなことが考えられる。

 以前との比較で言えば、メジャーデビューしている歌手の総数が相当増えているのだろう。それにともなって、市場にある楽曲数も増加しているはずだ。

 また、誰もが知る最大公約数的な歌手や楽曲の数が減少していることもあるだろう。

 だが、そんなことよりも問題は私自身にある。

 とくに、最近は若い世代の歌手や楽曲に興味が持てなくなっている。ちゃんと聴けば、それぞれに素晴らしいのだろうが、時間的な制約もあってカバーしきれていないのだ。

 にもかかわらず、AMラジオ好きという根拠無き自信がこのショックの原因だ。

 どの世界でも同じなのだが、過信した瞬間に思いもよらぬ陥穽に落ちるもの――。

 この世の中は知らないことが多すぎる、と改めて学ばされた『紅白歌合戦』であった。
 

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