専門家が教える! 家庭の焼肉をおいしく楽しむためのコツとは
焼肉を楽しむための肉の選び方
焼肉に適した肉は、水分が適度に抜けています。焼肉店など肉を調理する現場では、「今日の肉はよく乾いていていい状態だ」と話したりします。肉を焼くことにおいては「適度に乾いた肉≒いい状態の肉」なのです。適度に水分が抜けた肉は、おいしさの決め手のである焼き目がつきやすいのです。
また、日本のコールドチェーンは発達しているため、一般的に国産牛は輸入牛に比べて鮮度が保たれていることが多いです。調理の最終工程を調理者ではなく、食べ手自身が行う焼肉にこそ、いい状態の肉が必要なのです。

そのほか、肉の厚さも重要なポイントです。同じ重量なら、枚数の多い薄切り肉を選びたくなるかもしれませんが、薄切りの肉は、焼き目がつく前に内部まで火が通りやすく、焼き加減が難しくなるため注意が必要です。ステーキほどの厚みは必要ありませんが、2~3mmの薄切り肉より、7~8㎜程度の厚さがある肉のほうが、表面に焼き目をしっかりとつけつつ、内部もいい塩梅に火を通しやすくなります。
予算や好みにもよりますが、オーストラリア産の牛肉に多いグラスフェッド(牧草肥育)は、日本の焼肉にはあまり向きません。焼肉のたれに多い甘辛い味には、穀物肥育の牛肉がよく合います。とくに黒毛和牛が持つ「和牛香」と呼ばれる独特の香りは、焼肉に最適です。
とはいえ、和牛はサシが多く、脂の風味を強く感じる人もいるかもしれません。その場合は、好みに応じて国産牛やUSビーフを選ぶのもよいでしょう。国産牛とUSビーフを比較すると、国産牛は焼き目がつきやすい肉が多い一方で、USビーフには深みのある味わいを持つ肉もあります。








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