中島みゆきさんで需要を創造する
『サザエさん』症候群という言葉がある。
《日曜日の夕方から深夜、特に18時30分からフジテレビ系列で放送される『サザエさん』を見た後、翌日からまた通学・仕事をしなければならないという現実に直面して憂鬱になり、体調不良や倦怠感を訴える症状の俗称である》(ウィキペディア)。
私の場合は、『サザエさん』症候群には、ほとんど縁なくこれまで年齢を重ねてきたけれども、日曜日深夜という時間帯はとても寂しいという意味において思い当たる節はある。
AMラジオが大好きで自宅ではトランジスタラジオを片時も離さないことは、ここで何度か書いた通りだが、日曜日の深夜は、NHK第1放送の『ラジオ深夜便』以外は、大抵、放送を休止しているのだ。
設備の保守・メンテナンスが表面上の理由だが、実際は広告が売れないためだろう。
『ラジオ深夜便』は、とてもよい番組だ。ただ、それ以外に選択肢がないということに寂しさを覚える。しかもAM2時から4時までは、音楽をかけっぱなしなので、ラジオから会話が聞こえてくることはなく、世の中から置き去りにされてしまったような何とも言えない孤独感に包まれる。
もうずいぶん長い間、日曜日の深い時間帯のそんな寂寥に耐えながら、AMラジオライフを送ってきた。
そんな中で朗報が飛び込んできた。
今年4月から、月に1度のペースで、あの“歌姫”がディスクジョッキーとしてAMラジオに戻ってくるという。
“歌姫”とはシンガーソングライターの中島みゆきさん。
ニッポン放送で『オールナイトニッポン』を日曜日の深夜AM3時から5時まで月に1回のペースで復活させる。生放送だという。
中島さんは、1979年から1987年まで月曜日の深夜1時~3時まで番組を放送していた。この期間は、私の学生時代とドンピシャで合致しており、本当に良く聞いたものである。
押しも押されぬビッグスターである中島さんが、なぜ、この仕事のオファーを受けたのかは、知るすべもない。しかし日曜日深夜のAMラジオに選択肢が広がることは大歓迎だ。
採算的にうまくいくかどうかは分からないが、私のような不満を抱いていたラジオファンはかなり多いはず。民放各社の横並びの番組編成を打ち破り、新しい需要の創造にトライするニッポン放送に拍手を送りたい。
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