県外からも続々来店、静岡発のハンバーグチェーン「さわやか」の1号店を探訪
パフォーマンスが楽しい
「ようこそ、さわやかへ!」
店内に入ると、女性スタッフが私に向かって元気よく声をかけた。待ち時間はなく、すぐに窓際のテーブルを案内される。といっても、その席以外の窓際はすべて埋まっており、たまたまラッキーだったのだ。
メニューを開いて何を注文するかを検討する素振りをしていたが、実はすでに決めていた。看板メニューの「げんこつハンバーグ」(税込1375円)、そこへ「フレッシュサラダ」(同308円)を追加。セットメニューでパンまたはライスの選択肢があり、私はライスにする。ハンバーグにかけるソースは「オニオンソース」を指定した。
昼時を外したのに、店内は7〜8割がた席は埋まっている。会社員風、家族連れ、友達同士など多様だったが、私のように1人できているのは少数派。みなさん、会話しながら楽しそうに過ごしている。
10分ほどして私の前にハンバーグが置かれた。すぐ食べられるのかなと思ったが、女性スタッフがテーブルの端に置かれていた大きなナイフとフォークを使って作業し始めた。ハンバーグを真ん中から切り、その断面を鉄板に押し付け、その上からオニオンソースをかけた。
ジュー!という音が食欲を喚起する。その間、油が飛ぶので紙のテーブルマットを持ち上げるように言われ、従って見守る。テキパキとして手際のよい動きに見惚れた。しばらくして「どうぞ、お召し上がりください」とのことで、早速いただく。
適度な大きさに切り、断面を見ると真ん中はほんのり赤い部分が残り、いい感じの焼き具合だ。早速食べたが、しっかりとした歯ごたえでまさに肉を食べていると感じる。大変においしい。もう少し焼きたい部分は、まだ熱い鉄板に触れさせ加熱することもできる。そうした自由度の高さも魅力である。夢中になって食べ進め、そしてフィニッシュした。
食べながら、このさわやかがなぜ人気かを考えた。第一はおいしさにあるが、さらにテーブルに運ばれてきた際に見た、ハンバーグを切るパフォーマンスも楽しかった。また接客もよい。配膳後も定期的にスタッフが店内を巡回し、「焼き具合はどうですか」などと適度に声をかけてくれる。要は、すべてが行き届いている感じなのだ。これは人気が出るはずだと思った。
なお静岡県から出ない理由を調べると、品質を重視しているためらしい。静岡県袋井市にハンバーグを製造する工場があり、そこから品質を保持できる距離にしか店を出さない方針で守り、静岡県だけの展開になっているようだ。