こんなところにもPBが…
テニススクールの合宿で長野県の某ホテルに宿泊し、施設内の温泉浴場に行くと、見覚えのあるシェービングクリームを発見した。ホームセンター大手のカインズ(群馬県/土屋裕雅社長)のプライベートブランド(PB)「CAINZ メンズ薬用シェービングフォーム」(200g:198円)だ。
安くて機能的にもナショナルブランドと遜色ないので、カインズの店舗を訪れた時には、まとめ買いをしており、常用しているのがこのシェービングクリームだ。
自宅と同じ製品を異郷の地で使いながら、しみじみ実感したのは、小売業のPBが消費者の中に確実に浸透したという事実だ。
「安かろう、悪かろう」と揶揄され続けたことも今は昔――。
イオン(千葉県/岡田元也社長)の「トップバリュ」(5300億円)やセブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の「セブンプレミアム」(4200億円)の売上高(いずれも2011年度)が示す通り、PBは完全に市場に定着した感がある。
少子高齢化で縮小する消費市場を横目に、2グループ合わせれば、実に1兆円の売上を創り出している。これに他の流通グループのPBが加われば、優に3~4兆円規模の市場になっていると推測できる。びっくりするのは、この数字はホームセンター業界の市場規模と等しいことだ。
しかも、カインズのケースで言えば、ホテルの消耗品としての利用はB2B(対企業向け取引)であり、PBのさらなる裾野の広がりと売上拡大を予感させる。
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