人間が生活している限り需要はある
弱り目に祟り目とはこのことか?
今度は新型インフルエンザである。地球の裏側、メキシコの出来事、と高をくくる間もなく、日本列島に襲来、猛威を振るっている。飛ぶように売れているのはマスクだ。多くのメーカーの在庫は底を尽き、増産体制強化で難局に当たっている。
流通業界は対応に大わらわだ。セブン&アイ・ホールディングスは、関西方面の店舗の従業員にマスク着用を義務づけた。口からの飛沫が表面に触れる可能性があるような商品は店頭からなくし、試食販売も取りやめた。事業会社セブン竏茶Cレブンのおでんについては、「ウィルスは70℃で死滅すると言われている。おでんの保温温度は70縲怩W0℃が原則なので問題ない」としながらも、販売継続については検討中だという。
経済アナリストの森永卓郎氏によれば、“インフルエンザ騒動”はGDPを年間0.1%押し下げる影響があるそうだ。100年に一度の経済危機。追い打ちをかける新型インフルエンザ――。
日本経済にとって厳しい局面が続くが、一つだけ言えるのは、どんな世の中だとしても、人間が生活している限り何かの需要はあるということだ。
『チェーンストアエイジ』誌2009年6月1日号
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