2010年、中内功さん、遠き約束
「流通革命の旗のもとに 50-10-3」。
1994年にダイエーグループCEO(最高経営責任者)の故中内功(当時)さんは内部に向け、こんな檄を飛ばした。「50」は物価を2分の1にすること、「10」は日本市場におけるグループの単品シェア、「3」はグループの営業収益経常利益率を意味する目標数値である。
当時中内さんは、小誌のインタビューにこう答えている。
「日本の高い物価を2分の1に引き下げることを提唱していますが達成はいつごろですか?」
「2010年ごろですかね。まあ僕はもう生きていないから関係ないけど(笑)。2010年に達成できてなかったら『チェーンストアエイジ』誌に怒られるんだろうな。『あのときこう言ったじゃないか』って(笑)」。
その2010年は21日後に迫っている。
政府が3年5カ月ぶりに「デフレ」状態にあることを宣言。円高がどんどんと進み、1ドルが87円台で推移しているけれども、日本の小売物価は輸入物価や卸売物価の下落ほど下がっていない。しかも、2008年初頭のように需給バランスがちょっと乱れるだけ、投機マネーのちょっとした気まぐれで、物価は常に上昇する可能性がある。
だからこそ、流通業界は信念を揺るがせることなく、構造としての価格革命を実現したい。
『チェーンストアエイジ』誌2009年12月15日号・2010年1月15日号合併号
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