三浦雄一郎さん、80歳でエベレスト登頂を目指す
プロスキーヤーの三浦雄一郎さんは、2012年、80歳でまたエベレスト登頂を目指すと公表した。
70歳と75歳の時に登頂に成功しているので今度は3回目の挑戦になる。
2009年にスキージャンプの着地に失敗して、骨盤を骨折する大けがを負った。いまは、リハビリを終え、再起したばかり。それだけに、体力的に厳しいと決定に当たっては家族からの猛反対にあったという。
三浦さんと同じ年齢(1932年生まれ)の著名人を記していくと、青島幸夫さん(故人)、石原慎太郎さん、五木寛之さん、大島渚さん、小池聰行さん(故人)、小林亜星さん、小室直樹さん(故人)、鈴木その子さん(故人)、鈴木敏文さん、谷啓さん(故人)、土屋嘉雄さん、フランク永井さん(故人)、野村沙知代さん、平岩弓枝さん、広岡達朗さん、本多勝一さん、水口健次さん(故人)、村田昭治さん、柳田邦夫さん、横山ノックさん(故人)、萬屋錦之介さん(故人)など――。
この顔ぶれと比較すれば、三浦さんの体力の凄さを改めて実感することができるだろう。
さて、三浦さんが初めてのエベレスト登頂を目指したのは65歳の時だ。当時は、怠惰な生活が災いして、身長164cmに対して体重は82kgに達した。
「立派なデブとして世間には認められていた」(『高く遠い夢』―70歳エベレスト登頂記―:双葉社)。
同じころ、父、敬三さん(故人)は88歳でヨーロッパアルプスのオートルート(4000m級の尾根を縦走するクラシックツアー)を達成。次男の豪太さんはモーグルスキーで五輪に出場――。
家族の活躍を横目に見ながら、考えた。
「このままじゃ単なる年寄りデブになってしまうじゃないか」(同書)。
そこで一念発起して、70歳でのエベレスト制覇を目標に定めた。そこから三浦さんは長く厳しいトレーニングを続けることになるのだが、この詳細は同書を読んでいただきたい。
現在の三浦さんは、2年後に向けて特訓中である。
片足に2kgの重りを入れた特注の靴をはき、脛のあたりには片足3kgの鉛を巻き、常に合計10kgの負担を身体にかけながら、日常生活を普通に送っている。
こんな三浦さんの姿を見ていると、老いの恐怖から解放されるとともに、年齢とはいったい何だろうと考えさせられてしまう。
そして「君たちの人生において、今日が一番若いんだよ」と言われているような気がして、とても励まされる。
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