いまのヒトは若い
いまのヒトは若くなったと思う。
私が子供の頃の“還暦”といえば、どんなにお世辞を使っても「若い」とは言えない、よぼよぼの老人が多かった。
しかし、今では、「アラカンの星」で歌手の秋元順子さんを挙げるまでもなく、当時でいえば中年くらいの感覚の方がほとんどだ。運動能力も衰えておらず、ボヤボヤしていると、テニスでもマラソンでも簡単に負けてしまう。
独断的にいうと、今の年齢の8掛けくらいが昔のヒト達の年齢という感じがする。40代半ばの私なら、まだ36歳。人生を24時間で表すなら、まだ午前11時30分の洟垂れ小僧だ。
同じような現象は、ペットの世界でも起こっている。これまで、一般的には「7歳以上」を高齢犬としていたが、いまの犬は15歳くらいまで長生きするのが当たり前になっている。ペットフードメーカーなどでは高齢犬の定義を「10歳以上」と改める動きも出ているほどだ。
競馬の世界も同様だ。今年の天皇賞(秋)と一昨日のマイルチャンピオンシップのG1(グレードワン)競走を連勝し、引退の花道を飾った「カンパニー」(父ミラクルアドマイヤ、母ブリリアントベリー)は8歳馬。同期の代表馬は、4歳限定のG1レース、NHKマイルカップと日本ダービーを勝った「キングカメハメハ」というから、競馬ファンにとっては、懐かしい世代の範疇に入る。
ところが、「カンパニー」は、年齢を感じさせぬ強い勝ち方での2連勝。少し前であれば、8歳馬というと、重賞レースに出走すること自体が年齢的な話題になる程度で人気薄が普通。ましてG1レースに勝利するなど想像もできなかった。
いずれにしてもヒトも動物も、原因は分からないが、老けにくくなっているのは事実だ。
ということは、少子化問題も絡めた上で、社会のシステムもこの変化に対応しなければいけないわけだが、雇用制度も年金制度も後手後手に回ってしまっている感はぬぐえない。
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