テレビ地上波で放送されないクライマックスシリーズ
プロ野球は日本シリーズへの出場権を賭けたクライマックスシリーズが最高潮――。
昨日のセントラルリーグは、クライマックスシリーズ・ファーストステージ(3試合制、2勝先勝)の第1戦で阪神と巨人が甲子園球場で激突。息を飲むような接戦を巨人が3対1の逆転勝ちで制し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。
一方のパシフィックリーグは、ソフトバンクとロッテの間でファイナルステージ(6試合制、4勝先勝、ソフトバンクに1勝のアドバンテージ)の第3戦がヤフードームで行われ、緊迫した投手戦の結果、ソフトバンクが1対0の完封勝ち。ソフトバンクは、これで3勝1敗、日本シリーズ進出に向けて王手をかけた。
2つの球場は満員御礼。甲子園は4万6868人(収容人員4万7808人)とヤフードームは3万6664人(同3万6723人)の大観衆を集めた。
ところが、東京の住人は、テレビの地上波で、これらの死闘を目にすることはできなかった。
巨人―阪神戦は「GAORA」。ソフトバンク―ロッテ戦は「NHK BS1」か「J SPORTS ESPN」でしか観ることができなかったのだ。
これってどうなのだろう。
確かに、昭和の時代と比較すると、プロ野球は、さまざまな競合コンテンツの登場で視聴率が取れなくなっている。いつ終わるか分からない長いゲーム時間やメジャーリーグへの人材流出など問題も少なくない。
しかし、クライマックスシリーズは生放送する価値がないほど、テレビのコンテンツとしてダメなものなのだろうか。
野球場にこれだけのファンを集めるパワーがあるのだから、やり方が悪いだけの気がしてならない。
地上波のテレビ局が「視聴率が取れない」と放送に消極的になるから、視聴者はテレビで野球を観る習慣をなくしていく。その結果、また視聴率が取れない、さらに放送量減、そして視聴者の興味減…。
そんな負の連鎖に突入していないか、地上波テレビ局はもう一度検証してみる必要があるだろう。
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