1ビット発想はいけません
1ビットとは、コンピュータの最も基本になる単位のことだ。「0か1か」という情報ひとつが1ビット(bit)であり、それを8ケタにしたものが8ビットとなり、8ビットは1バイトという単位になる。
作家の安土敏さんは、「100年に1度の難局を乗り切るためには1ビットの発想ではいけない」と苦言を呈する。
最近話題の「ユニクロ型デフレ」についても一家言。「安売りするユニクロを悪の根源と決めつけるような論評がまかり通っている。しかし2万円の価値のセーターが2000円で購入できるとすればお客様は1万8000円を節約したことになる。政府の子供手当支給と何ら変わらないだろう」。
そして、“ユニクロいじめ”のような1ビット型の単純思考は流通業界ではことのほか多い。
アパルトヘイト解決で指導的な役割を果たし、1984年にノーベル平和賞を受賞した南アフリカ共和国のデズモンド・ツツ主教は、「事実は多面体である」と語っていた。ひとつの側面だけを見て形を決めつけてしまうのは愚の骨頂という意味だ。
せめて1バイトくらいの感覚で物事を考えたい。
『チェーンストアエイジ』誌2010年2月1日号
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