2番手に甘んじていてはだめなのです
21日に亡くなった日本リテイリングセンターの渥美俊一さんは、読売新聞社に在籍した当時、子供たちが寝た後に帰宅し、起きる前に出社、土・日曜日も休まないという生活を送っていた。
いまどきの家庭人としては失格の烙印が押されてしまうことうけあいだが、子供たちが鮮明に覚えている姿がある。
「学業で1番の成績を取れ」と口を酸っぱくして言われたことだ。
その目的は、“いい大学”に入学して、“いい会社”に就職するためではない。
「人間が一生を賭けて、社会に貢献しようとすれば、誰にも負けない良い知識が必要になる。だから1番になれ」。
私なりに解釈するなら、たとえば、不治の病である癌を撲滅するためには、学界で1番の実力をもって、癌医療の最前線にポジションを取り、最先端の治療法を開発する必要がある。
癌撲滅のためには、医学界の最前線で癌と対峙することが重要なのであり、2番手に甘んじていてはだめなのである。
その時に決め手になるのは知識であり、学界で1番になることだろう。
「人の世に貢献するために、自分を研鑽せよ」。
渥美さんの言葉は、自分さえよければいいといういまの世の風潮を真っ向から批判するとともに、「革命」の精神を後生に提示している。
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