「ブライト」と「キットカット」をナンバーワンブランドにした
「ブライト」(クリーミングパウダー)や「キットカット」(チョコレート菓子)をナンバーワンブランドに育て上げたネスレコンフェクショナリー(兵庫県)の高岡浩三社長から話を聞いた。
高岡社長は言う。
「ブライト」は「袋・詰め替え」と「低価格路線」で競合から大きくシェアを取る戦術が奏功した。
「キットカット」は、コンビニエンスストアの商品改廃の周期がスピードアップしている状況を鑑みて、「2ヶ月期間限定商品」と「受験キャンペーン」を駆使し、成功した。
根底には、綿密なマーケティング戦略と発想があるので、「こうしたビジネスのアイデアはどうすれば浮かぶのですか?」と問うと――。
秘訣は「いつも考え続けること」にあると言う。
ちょうど、その時に読んでいた『カップヌードルをぶっつぶせ!――創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』(安藤宏基著/中央公論社)の中にも同じようなフレーズがあったので驚いた。
著者は、日清食品ホールディングス(大阪府)の創業者であり実父である故安藤百福さんを振り返り、性格的特徴を人並みはずれた「執念」にあると断言。「物事は漠然と考えていてはだめだ。一心不乱に考え続けているからこそ、睡眠中にふっとアイデアが浮かびあがってくる」(P29)という故人の言葉を紹介している。
ただ、高岡社長の場合は、アイデアよりももっと大事なものがあると教えてくれた。
「画期的なアイデアが浮かんでも、それを具現化するプロセスで障害がたくさん出てくる。それでも諦めずに自分を信じて、障害を取り除き、具現化に邁進できるエネルギーや行動力を持っていることが重要だ」。
なるほど。
そう考えると、エネルギーや行動力がなかったばかりに花開かなかった物凄いアイデアは世間にどれほどあったことだろうか?
みなさんの会社にも物置送りの素晴らしいアイデアがあるかもしれない。
なお、高岡浩三さんは、2010年1月1日の人事でネスレ日本代表取締役副社長に就任する。
(詳しくは『チェーンストアエイジ』誌2010年2月1日号で)
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