平成の松下村塾

2009/10/18 00:00
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 衆参合わせて34人(民主党27人、自民党7人)。

 

 もの凄い数の国会議員を輩出しているのは、財団法人松下政経塾である。野田佳彦、松原仁、原口一博、山井和則、前原誠司、高市早苗などメディアへの露出度の高い議員の名前も並ぶ。

 

 パナソニック(大阪府/大坪文雄社長)の創業者である故・松下幸之助さんが新しい国家経営を推進していく指導者育成が必要であるとの思いから私財70億円を投じて1979年に設立した。神奈川県茅ヶ崎市の施設は、敷地面積2万平米、建物面積6700平米。塾生は全寮制で3年間の研修が施される。これまでの卒塾生は237人(うち女性は30人)だ。

 

 経営コンサルタントの大前研一さんが1994年に「新しいネクストリーダー養成学校」として創設した特定非営利法人は、一新塾である。

 

 現在、塾生は東京の塾にて受講する本科、通信講座による通信科、出前講座を受講する地域科に分類。それぞれの科に政策提言コース、社会起業コース、市民プロジェクトコースがあり、卒塾年限は1年間。加藤公一、田嶋要、内藤正光、風間直樹と衆参4人の議員を輩出している。

 

 政治家養成学校として、あまりにも有名なのは、江戸幕末に長州藩士の吉田松陰が主宰した松下村塾だ。松陰が「安政の大獄」で粛清されたため、開塾していた期間はわずか3年。しかし、武士や町民など社会的な身分を隔てることなく受け入れ、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋など多士済済を輩出した。

 

 松下政経塾と一新塾――。

 

 この2つの私塾が今後、日本国家にいかなる影響を及ぼすかに注目したい。

 

 とくに松下政経塾は政権を握る民主党の国会議員を27人も出しているだけに、「平成の松下村塾」になれるのかどうか、松下幸之助さんも草葉の陰から興味津々、見守っているはずだ。

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