「ルイ・ヴィトン」後、考
日本では「ルイ・ヴィトン」などの高級ブランドの売上減が報道されているが、中国では「ルイ・ヴィトン」ブームが到来だ。
出張で利用した「中国南方航空」の中国人旅行客の10人に1人くらいは「ルイ・ヴィトン」のバッグを大事そうに抱えており、驚いた。何年か前までの日本人女性を彷彿させるところだ。
国内を案内してくれた中国人女性に聞くと、やっぱり「持っている」とのこと。「でも、もったいなくて使っていないけど」と顔を赤くした。
かつてはパリの「ルイ・ヴィトン」本店に日本人が殺到した。東洋人の風貌と行儀の悪さも相まってフランスでは歓迎されていなかった。現在、その主役は中国人に交代し、日本人以上に好かれていないという。
時代は流れ、もはや、日本では、一点豪華主義で「ルイ・ヴィトン」を携行すること自体が「格好いい」とは言えなくなっている。
従妹が「ルイ・ヴィトン」のバッグを購入した時に、叔父は「こいつは二流だから一流のモノを持ちたがる」と茶化し、「なるほど」と妙に感心したものだが、そうした感覚は、中国に波及しているのかもしれない。
ということは、「ルイ・ヴィトン」などのあからさまなブランド物を卒業した後の日本人が、記号としての持ち物ではなく、コーディネートやTPOS(Time、Place、Occasion、Life Style)に配慮して、どんなセンスを見せてくれるのかに興味がある。
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