「すかいらーく」、消えた!
すかいらーく(東京都/谷真社長)は、2009年10月29日に「すかいらーく川口新郷店」(埼玉県)を閉鎖した。これをもって、同社の社名でもあり、創業業態でもある「すかいらーく」は39年4ヶ月の歴史に幕を閉じることになった。
「すかいらーく」は1970年に1号店を開業。ファミリーレストラン業態のパイオニアとしてピーク時の1993年には720店舗を展開するに至っている。
日本フードサービス協会の調査によれば、「ファミリーレストラン」市場の売上金額前年比(新規店を含む)は、今年1月から9月までずっとマイナス成長のままであり、まったく元気がない。2008年の平均客単価は1058円と高く、4人家族なら1食で4200円の出費となってしまい、気軽に立ち寄りにくくなっていることなどが原因だろう。
日本のファミリー像も大きく変わった。
家族団らんで食卓を囲む機会は圧倒的に少なくなり、会社勤務の「父」「母」、塾通いの「子供達」の“個食”、“孤食”化が定着している。
「ファミリーレストラン」のあり方そのものが問われていると言えそうだが、変な感傷にとらわれることなく、業態の乗り換えを決めた、すかいらーくには敬意を表したい。
『チェーンストアエイジ』誌2009年11月15日号
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