アイリスオーヤマが2010年度業績を公表
アイリスオーヤマ(宮城県/大山健太郎社長)は2010年12月期の業績を公表した。
売上高は848億円(対前期比5.9%増)、経常利益は87億円(同3.4%増)と増収増益だった。
以下は、大山社長の発言――。
「2010年は、世界的には景気は回復基調で推移した。しかし日本の個人消費は依然として厳しい。デフレが継続する中で、春の低温、夏の猛暑、秋の残暑と天候不順が続き、ホームセンター業界の売上は前年約5%割れとなり、園芸・ペット・収納部門の売上は苦戦を強いられた。また2009年の新型インフルエンザ流行によるマスク特需の反動でマスクの売上が対前期で大きく落ち込んだ」
「2010年のアイリスオーヤマは先手必勝の経営を掲げ、3月に本格的に市場参入したLED(発光ダイオード)電球は個数ベースで26%、国内トップシェアとなった。また回転モップや高圧洗浄機といった新規事業分野の大型ヒット商品が貢献。軽家電製品を中心とした積極的な新商品投入効果で売上高に占める新商品(発売から3年以内)の構成比率が55%となり、前期よりも5ポイントアップした」
「アイリスオーヤマを含む国内外25社のグループ総売上高は円高の影響で海外法人の円換算売上が減額となり、1992億円(対前期比12%増)、経常利益は148億円になった」
アイリスオーヤマは、2011年の売上目標として「1000億円」を掲げた。需要創造と市場創造に注力するという2011年の同社の方針は以下の通りだ。
「一般家庭用のLED電球、オフィス・店舗・工場向けの直管形LED照明の双方で新商品開発と営業強化を行い、国内シェアトップメーカーとしての地位を確立する。この1月1日には、LED環境事業部とLED照明事業部を新設。また全国6か所(札幌〈北海道〉、東北〈宮城県〉、中部〈愛知県〉、関西〈兵庫県〉、中四国〈広島県〉、九州〈佐賀県〉)に地域事業部を設置し、営業マンを50人体制に増員。LED事業だけで100億円の売上を狙う」
「家電量販店向けの軽家電製品、ドラッグストア向けの日用雑貨などの商品開発を強化し、新しい販売チャネルの売上拡大を図る」
「取扱商品ならびに取引店舗の増加に対応するため、米原(滋賀県)、埼玉(埼玉県)の2拠点で自動倉庫を増設する。米原工場は1月に1万9000パレット分、埼玉工場は12月に3万3000パレット分を増設。国内工場合計で22万パレットの自動倉庫を保有する」
「ネット通販を強化する。2010年末段階のネット通販拠点であるアイリスプラザの店舗数は36。店長は全員女性で2010年には50人を採用した。2011年の年商目標は120億円(対前期比20%増)を目指す」
「中国国内の直営店〈アイリスライフ〉の店舗数を現在の100店舗から250店舗に拡大する。そこへの商品供給や建築ラッシュが続くマンション用据え付け家具の生産をするために上海郊外の蘇州工場が9月から稼働する」
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