丸紅、JA全農と戦略提携
総合商社大手の丸紅(東京都/朝田照男社長)と全国農業組合連合会(JA全農)は、日本の米穀の集荷・販売・加工事業に関し、戦略提携意向書を締結すると発表した。
加盟国間の関税が原則撤廃になる環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加の議論が高まっていることを鑑み、安全・安心を売りに米穀の輸出も視野に入れる。
この提携が本格化すると、JA全農が集荷、精米した米穀が優先的にダイエー(東京都/桑原道夫社長)、マルエツ(東京都/高橋恵三社長)、東武ストア(東京都/宮内正敬社長)、相鉄ローゼン(神奈川県/伊藤英男社長)など丸紅との関係が深い食品スーパーなどのルートを使って流通するものとみられる。
国内で生産される米穀800万トンうちの約40%、387万トン(7294億円)を扱うJA全農のパワーは計り知れない。
折しも、地球人口増加や異常気象の影響で穀物価格は高騰。カロリーベースの食糧自給率40%の日本と流通業界は何らかの対策を打たねばならないところだった。
米穀事業がうまく軌道に乗れば、他の農産、畜産、酪農、園芸などの事業でも提携する可能性があり、しばらくは目が離せない。
(『チェーンストアエイジ』誌2011年2月1日号)
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