そんな商売ならやめちまえ!!
思わず目を疑った。「同業者の方の入店はご遠慮ください」という看板をある大手衣料品専門店チェーンが掲げていたからだ。手元の広辞苑を引けば、同業者とは「同じ業種の営業者」とある。
平成19年商業統計のデータでは、衣料品スーパーの業態別就業者数は8万2684人。しかし、「衣料品専門店」「衣料品中心店」の区分も同業者とみなせば、その数字は69万4232人まで膨れあがる。そして、百貨店や総合スーパー、専門スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、その他のスーパー、にも同業部門があるから、これらを全部合わせて、同業者を「小売業者」としてしまうと806万2196人という膨大な数字になる。
平成18年の労働力人口(15歳以上、就業者と完全失業者合計)は6657万人だから、そのうちの12%を自ら「あなたは当店の客ではない」と宣言してしまっているわけだ。どれほど優れた技術力あり、同業他社に知られたくないヒミツがある商品が並んでいるのかは知らないけれども、もしそうであるならば、店舗を開く資格はないと思う。
『チェーンストアエイジ』誌2009年4月15日号
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