「カインズ」というフォーマット
ホームセンター(HC)の大手、カインズ(群馬県/土屋裕雅社長)が10月19日にカインズホーム富士宮店(静岡県:売場面積5656㎡)を開業した。今年2月23日にオープンしたカインズホームりんかんモール店(神奈川県)以来、久々の直営新店となる。
店内に入って驚くのは、PB(プライベートブランド)の多彩さ、豊富さだ。3365億円(2010年度)の年商中35%はPBが占める。
開発分野も幅広い。ドメインである家庭用品ではエコなこたつの「ecota」、「軽い力で回せる回転モップ」、「かるい掛けふとん消臭プラス」などの新商品。サイクルコーナー展示の8割は「Avec Vent」シリーズ、ペットフードとして秋の味覚シリーズ「秋味」。また間接照明の提案やクリスマス商品の充実が図られている。
もっと驚くのは、食品PBの充実ぶりである。酒類では新ジャンルの「黄金」、テーブルワインの「Rico Rico」などがヒットを飛ばし、新店にはミントタブレット50粒(78円)、大麦若葉青汁25包(298円)などもお目見えしている。
カインズはすでにHCというくくりからは逸脱し始めた。製造小売業「カインズ」というフォーマットを運営する企業になっている。
(『チェーンストアエイジ』誌 2011年11月1日号)
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