「スマートライフ」のすすめ
アイリスオーヤマ(宮城県)の大山健太郎社長は最近「スマートライフ」を提唱している。以下では、その考え方について語っている(談:文責・千田直哉)
日本の電力は余っています。ただしピーク時に不足していることが問題なのです。
ということは、少し頭を使えば、原子力発電所を動かさなくとも、太陽光・地熱・風力・水力に頼って新しい投資をしなくても、われわれはいままでどおりの生活を送ることができるわけです。
たとえば、現在、使用電力の3割は照明用に使われていると言われています。
これを半分にすることができれば、それだけで全体の15%をカットすることができます。これは実は、従来の照明をLED(発光ダイオード)に切り替えるだけで達成できる数字です。
また、今夏の自動車産業のように土・日曜日に製造業の工場を稼働させれば、ピーク時の電力需要を削減することは、そんなに難しいことではありません。
役所にしても、交通機関や外食業、小売業と同じサービス業であるのですから、土日に窓口を開けたりするなどの工夫があれば電力使用の分散化につながるはずです。
そんなふうに、ちょっと頭を切り替えて、賢く社会の仕組みを変えれば、原子力発電所を稼働させる理由はなくなります。
ようするに電力需要を分散できる仕組みを社会全体でつくればいいのです。
これから人口減少がどんどん進んでいく日本にあって、使えないほどの量の電気をつくる必要性はありません。
そういう理由から、私は、最近、「スマートライフ」ということを盛んに提唱しています。「賢い生活の仕組みを考えよう」という意味になります。
過去の延長の生活スタイルを変えないままに、電力不足をかこち、施設増設をするのではなく、現在の電力を無駄にすることなく、賢く使い切れば、ちゃんとした生活は送れると考えます。
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