狐につままれたような1日
4月28日は、『チェーンストアエイジ』誌5月15日号のゲラデータを印刷所に送る締切日。必然的に帰宅時刻は遅くなり、案の定の午前様――。
ところが翌29日は、テニスの試合にエントリーしていた。
パートナーが利き腕を壊し、「29日の朝まで出場できるかどうか分からない」と言っていたので、棄権するだろうと勝手に思い込んでいた早朝7時、「なんとか出られそう」と連絡が入る。
寝不足で体調は絶不調、モチベーションはまったく上がらない、という最悪の条件の中で、試合開始の8時30分を迎えた。
しかも、この数週間は、出張などで仕事が立て込んでおり、練習不足は明らかだった。
その影響かからどうかはわからないが、第1試合は、「還暦老獪ペア」に簡単に破れてしまった。
「まったく、やる気が起きないなあ」とすでにあきらめの境地。パートナーが、いつ「棄権したい」と言いだすか分からない不安定な状況が続く。
「怪我をせずに終わればよし」と少し気分を切り替えるものの、いつもは旺盛な「勝ちたい」という闘争心は沸いてこない。
次の第2試合は、格上の「親子ペア」と対戦。負けてもともとという開き直りもなく、ただただ漫然とボールを打っていたのにわけのわからぬうちに勝ってしまう。
「何もいいところがなくても勝つことがあるんだ。とりあえず、今日のノルマの1勝は確保したぞ」とちょっと盛り上がった状態で迎えた第3試合。ところが、やる気のなさとは裏腹に、序盤戦から試合を支配し、大きな差をつけて圧勝する。
第4試合は伸び盛り17歳、ジュニア選抜の若者とその父親のペアと当たったものの、まったく歯が立たず、負けてしまったが、昨秋に続いて見事ベスト4入りを果たした。
謙遜ではなく、私もパートナーの実力も「普通」レベル。取り立てていいところがあるわけではない。
「勝ちに不思議の勝ちあり」と野村克也楽天ゴールデンイーグルス名誉監督はことあるごとに口にするが、今回の大会の私たちはまさにその通り。狐につままれたような1日だった。
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