今日はバレンタインデー。関係ないけど、国母和宏選手を考えた
1998年のサッカーワールドカップフランス大会を彷彿させる――。
標的になったのは、元日本代表フォワードの城彰二選手だった。「顔がにやけている」「ガムを噛んでいる」と批判された。得点機にゴールを決められなかったことを誹謗中傷する記事が飛び交い、帰国の際の空港では水をかけられた。
2010年の今年は、バンクーバー五輪代表でスノーボーダーの国母和宏(東海大学)選手だ。バンクーバー入りした時にJOC(日本オリンピック委員会)の服装規定に反した(シャツ外出し、腰ばきズボン、緩んだネクタイ、鼻ピアス)ことと直後の記者会見ではヒトを小馬鹿にしたように語尾を伸ばし「反省してま縲怩キ」と発言したことの2連発で、いまや非国民呼ばわりだ。
ペナルティとして、選手村への入村式、開会式の欠席が科せられたようだが、この対応には異議ありだ。
大体、バンクーバーへの入国時に変な格好をしていたら、周囲の同行者が注意すべきだろう。バンクーバー五輪選手団(橋本聖子団長)は、選手94人(男子49人、女子45人)と役員が111人の合計205人だ。選手数を上回る付き添いの111人こそ、「喝!」であり、猛省すべきである。何をやっているんだ!
また、聖人君子しかオリンピックに出場する資格がないのかと言えば決してそうではないだろう。
もちろん、単純に「いいじゃないか」とは言えない。国母選手にもおおいに非はある。20歳を過ぎた成人でもある。
ただ、彼は麻薬や暴行などで法律を破ったわけではない。卑劣なドーピングをしたわけでもない。そんな21歳の若者一人にメディアが総攻撃する様は見ていて気持ちの良いものではない。
その後の報道では、「結果を残して信頼を回復してもらいたい」といった見当外れの論調まで出てくる始末。国民やメディアには、もう少し、余裕を持った温かい目で見守ることができないものか?
これで国母選手が、メダルを逃しでもすれば、格好のターゲットとしておもしろおかしくレポートされることだろう。スポーツの報道は、技術論に徹して欲しいものだ。
国母選手に対しては、いろいろな意味で「がんばれ!」と積極的には言えない。
だから内緒で言います。「思いっきりやっておいで!! 国母!!!」。
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