ザ・ビッグエクストラ真岡店(栃木県)探訪記
2011年6月17日、イオンリテール(千葉県/村井正平社長)は、イオンスーパーセンター真岡店(栃木県)を業態転換。ザ・ビッグエクストラ真岡店として再オープンした。
http://www.aeon.jp/big/mooka/index.html
ザ・ビッグエクストラとしては、野洲店(滋賀県)、津河芸店(三重県)に次ぎ、3号店めになる。
ザ・ビッグエクストラ真岡店(以下、真岡店)は、直営売場面積1万3687㎡を9900㎡に縮小。14万SKUあった商品の3割をカットした。
最大の特徴は商品価格の安さにある。とくに農産部門の安さは抜群で、きゅうり1本9円、トマト1個67円、レタス1個77円、キャベツ1個57円と驚きの価格で提供している。どうやら、農産部門はロスリーダーとして位置付けているようだ。
加工食品も安い。たとえば、「ぺプシネックス1.5?」が97円、キリンビバレッジの「生茶2?」127円、グリコ「2段熟カレー160g」が97円など超目玉商品を展開し圧倒的な低価格を打ち出している。品出しには、人手がかかっているようだが、段ボール陳列が安さの雰囲気を演出する。
商品は、1品大量陳列を基本にしており、1品の在庫量は非常に多い。品物によっては、1SKUで棚5本分という大胆なスペース取りをしている。しかしバックヤードには在庫はない模様で1品のフェース数を広げ、大量に見せることで、SKUを絞っている。米国出身のコストコや西友(ウォルマート)を徹底的に研究した痕跡がうかがえる。
にもかかわらず、消費者は「品揃えが以前よりも断然良くなった」と高い評価を下している。これによって、発注の頻度は減り、在庫管理の作業効率はアップしているものとみられる。
品揃えは、「エブリデー・エブリバディグッズ」に絞り込み、季節商品の提案はあるものの、生活提案は一切しないという割り切りを見せている。
また、EDLP(エブリデ―・ロー・プライス)を実践しており、余計な販促物など一切置かないノンフリルストアとして異彩を放っている。
業態転換後の客足は戻り始めている。テナントの従業員の話では、改装前の3~4倍に増えているという。週末には約1000台を用意した駐車場が満車になる盛況ぶりだ。村井社長も「売上は対予算比50~60%増で推移している」と話した。
ただし、売上は大きくアップするものの、現段階では、大きな利益が出ているようには見えない。品揃えはナショナルブランドの安売り中心であり、とくに非食品には収益性の高いプライベートブランド(PB)をほとんど目にすることができないからだ。
この集客力に加え、PBなどの収益力が加われば、イオンが過去に目指した“スーパーセンター”に大化けする可能性が大だ。
詳しくは『チェーンストアエイジ』誌2011年7月15日号(同日発売)をご覧ください。
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