「セブンプレミアム」世界市場に飛び立つ
ドン・キホーテ(東京都/成沢潤治社長)の「690円ジーンズ」が完売するなど、プライベートブランド(PB)ブームは続いている。
しかしながら、「PBは出しっぱなしなのでしばらくすると壁にぶつかる」と自戒を込めて話すのはヨークベニマル(福島県)社長の大高善興さんだ。「逆にナショナルブランド(NB)は、味や具材など、常に商品のマイナーチェンジやリニューアルを行っているから色褪せることがない」と付け加える。
大高さんがリーダーシップを執って開発を進めてきたセブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)グループのPB「セブンプレミアム」はすでに800品目を突破。大高さんはそんな反省も踏まえて、現在、PBをリニューアルする仕組みづくりに努めている。具体的にはネットを通じて、モニターを1万人ほど組織し、試供品としてPBを送り、食べたり使ったりした感想を集め、商品改善するというものだ。
たとえば、マヨネーズでは、「口先が太いので使いづらい」と指摘を受けた。そこで細く改良したところ、売上は大きく伸びたという。
「セブンプレミアム」にまつわる話では、さらなるビッグニュースがある。
11月4日、日本と米国のセブン‐イレブンで「セブンプレミアム」(米国のPB名は「セブンセレクト」)のワインを同時発売するというものだ。カリフォルニア州ナパバレー産で価格は日本が598円、米国では3ドル99セント。「白ワインをぜひ冷やして飲んでみてほしい。2倍の価値はある」と大高さんは自信をのぞかせている。
11月半ばには、第2弾として、コーンを日米同時発売。さらにはコーヒーやチョコレート、パスタなどが続々と登場する予定だ。
これまで日本がPBを輸出することはほぼなかったが、日本発のPBは、いま、世界規模のブランドをめざし、新しい局面を迎えた。
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