ダーバン、竹野内豊さん起用で品切れする
紳士服業界もユニクロ(山口県/柳井正社長)が独り勝ち――。
そのほかにも、ビジネスカジュアルの台頭や格安スーツの登場により、百貨店を舞台にしたビジネススーツ販売は右肩下がりで市場規模は激減の一途を辿った。
矢野経済研究所によると、2009年の紳士スーツ小売市場規模は2650億円で対前年度比2%減。過去12年間では半減している。
そんな中、今年2月1日から、レナウン(東京都/北畑稔社長)の男性向けブランド「ダーバン」はイメージキャラクターに俳優の竹野内豊さんを起用し、販促に乗り出した。
新幹線の駅ホームやビジネス誌などで、ダーバンをまとう竹野内さんの凛々しい姿を目にした人も多いはずだ。ビジネスマンの旅(出張)をテーマに、スーツスタイルからカジュアルスタイルまで、戦う日本の男性像を竹野内さんが表現する。
いまや、イオンリテール(千葉県/村井正平社長)のオンラインショップに行けば、ビジネススーツは9800円で購入できる。
ところが竹野内さんが着用しているダーバンのビジネススーツは12万円前後。1着分の価格でイオンのスーツが1ダースも買えてしまうような高額品だ。
しかしながら、これが飛ぶように売れており、在庫がまったくないという大ヒット商品になっているというから世の中は分からない。
竹野内さんのような格好いい男になりたいと男性が自ら購入する場合、竹野内さんのような男に変身して欲しいと家族が勧める場合など、シチュエーションは様々だろうが、消費者は低価格だけを求めていないことだけは明らかだ。
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