バンクーバーオリンピックを静かに観たい
日本のスポーツ観戦は、「勝てば有頂天になり、負ければくさる」と言われ続けて早、半世紀。ここにきてようやく国家の重しという呪縛から解放されたような悲壮感とは無縁の選手がポツポツと現れ始めてきた。
ただ、オリンピックの日本代表選手に対する報道を見ると、十年一日のごとく何も変わっていないような感を覚える。
「メダル」、「メダル」、「メダル」、と3位以内に入れなければ、帰ってくるなというばかりの圧力を与えている。これを受けてか、昨日は、橋本聖子日本選手団団長が「最高であれば(金5個を含む計10個だった)長野五輪を目標にしたい」と言わされてしまった。
わが母国の日本選手が世界の晴れ舞台で活躍する観戦していても気分が良いものだし、できればメダルを奪取する姿も見たい。
しかし、10代の女の子を相手にナショナルプレッシャーをかけるのはいかがなものか?
「そんなヤワな精神じゃ、世界では勝てませんよ」という意見も一理あるが、できれば放っておいてあげたい。
さあ、いよいよ2月12日からバンクーバーオリンピックが開幕――。
フィギュアスケートの浅田真央、安藤美姫、鈴木明子、高橋大輔、織田信成、スピードスケートの高木美帆、岡崎朋美、加藤条治、モーグルの上村愛子、ジャンプの葛西紀明、アルペンの皆川賢太郎と注目選手はたくさんいるけれども、私は、テレビで静かに観戦したい。
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