国民栄誉賞に対して、たぶん多くの国民が思っていること
昨夕、鳩山由紀夫首相は、「国民の皆さんのおじいちゃんのような方なので、国民栄誉賞にふさわしい」と話し、故森繁久弥さんに国民栄誉賞を贈る考えを明らかにした。
「内閣の人気取りのツール」と揶揄されることも少なくない同賞のこれまでの受賞者を見ると、顔ぶれは“国民栄誉”にふさわしい方ばかりだ。
1977年、世界のホームラン王の王貞治さん(プロ野球)が受賞第1号。以降、故古賀正男さん(作曲家)、故長谷川一夫さん(俳優)、故植村直己さん(登山家)、山下泰裕さん(柔道家)、衣笠祥雄さん(プロ野球)、故美空ひばりさん(歌手)、千代の富士貢さん(相撲)、故藤山一郎さん(歌手)、故長谷川町子さん(漫画家)、故服部良一さん(作曲家)、故渥美清さん(俳優)、故吉田正さん(作曲家)、故黒澤明さん(映画監督)、高橋尚子さん(マラソン)、故遠藤実さん(作曲家)、森光子さん(俳優)とこれまで17人が授与されている。
目立つのは、名前の前に付く「故」の1文字。実際に17人中11人は死後の受賞で、これに森繁さんが加われば、18人中12人になる。受賞基準があいまいなことが主因なのだろう。
桑田圭祐さん(アーチスト)や長嶋茂雄さん(プロ野球)など過去の受賞者を超える実績があるとみられる人たちがもらっていないことは不思議な話。また、福本豊さん(プロ野球)や故古関裕而さん(作曲家)、イチローさん(プロ野球)が辞退するなど何かと物議を醸し出すことも多い。
『ひまわり』などの作品を残した画家フィンセント・ファン・ゴッホの生前に売れた絵は『赤い葡萄畑』、たった一枚。その死後、世界的に評価されるのを知ることもなく、貧乏と不遇の中で37歳の生涯を終えた。
故人が“黄泉の国”で何を思っているのかは、知る術もないが、私なら死んでから賞賛されてもちっとも嬉しくない。
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