企業は拡大し続けなければならないか?
企業は拡大し続けなければならない。従業員には年齢に応じたライフスタイルがあり、結婚して、家族を持ち、両親の面倒を見て、自分の子供が独立する辺りまでは“入用の日々”が続く。そして企業はこの要求に応えなければいけない。
だから企業は対前期比主義で予算を組み、継続的出店やM&A(合併・買収)を繰り返すことで規模拡大に努める。
零細なパパママストアの場合は、押し上がるコストをガマンで乗り切るが、普通の企業が同じようなことをすれば従業員は逃げ出してしまうだろう。
ところが事業規模拡大は破滅への第一歩でもある。洋の東西を問わず、多くの優良企業は企業規模を拡大した結果、傾いていった。恐竜の絶滅には諸説があるが定向進化の末の巨大化も一因とされる。
東京商工リサーチによれば、日本に100年以上の長寿企業は、2万1066社も存在するという。西暦578年創業の金剛組(大阪市、木造建築工事)が最古。旅館・ホテル業が上位を占めることが特徴だが、第2位は池坊華道会(京都府、生け花・茶道教授)、第6位は源田紙業(京都府・袋物製造)――。
実は企業には拡大し続けなくても存続できる途がありそうだ。
『チェーンストアエイジ』誌2010年2月15日号
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