こんなこと言われているうちは、まだまだだ
錦織圭選手(21)がスイス室内(バーゼル)の準決勝(11月5日)でATPランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)に逆転勝ちしたことは周知の通りだ。
日本人男子選手としては、1992年に、あの松岡修造さんが同2位のステファン・エドベリ選手(スウェーデン)に勝って以来の快挙――。
それはすばらしいことなのだが、11月6日の決勝では同4位で“テニス界史上最強”だったロジャー・フェデラー選手の前に6‐1、6‐3とストレートで敗れてしまった。
フェデラー選手は、「錦織が選手としても、ランキング面でも大きく進歩したのはうれしい」(共同)とコメントしているけれども、こんなことを言われているうちは、まだまだだ。
スポーツ選手に必要なのは「憎まれるほどの強さ」であり、もし錦織選手がフェデラー選手の存在を脅かすような試合をしていたならば、彼のコメントは変わっていたはずだ。
実際、今週パリで開催されているBNPパリバ・マスターズでは同63位の格下選手に1回戦で、ストレート負けを喫し、安定していない実力を露呈してしまった。
トッププロとしての選手寿命が短いテニス競技において、21歳は決して若いとは言えない。
錦織選手は、日本の宝であることは誰もが知るところだ。
だからこそ、酷かもしれないが、いまこそふんばり時。来年1月にオーストラリアで開かれる大会、その後の全豪オープンに向けて本当にがんばってもらいたいなあ。
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